地球上の生命を支える〝食の原点〟
クロレラは淡水に生息する単細胞性の緑藻類。大きさは3〜8mμ(ミリミクロン)で小さな球形をしています。20数億年前の先カンブリア紀から生息している真核生物の仲間で、緑藻類のクラミドモナスからクロレラとして分岐したのが5億4000万年前であることが遺伝子解析によりわかっています。それ以来、何度も起こった天変地異や気候変動にも負けずその命をつないできたクロレラは、人類よりはるか昔から生き続けてきた生命力の強い生物です。
今、地上にある酸素は、クロレラをはじめとする旺盛な光合成能力をもった藻類が、太陽光と水と炭酸ガスから生み出したもの。同時に後の時代に登場する多くの多細胞生物が生息するための基礎となるさまざまな栄養分も生み出しました。食物連鎖の最下層に位置するクロレラは、あらゆる生命の下支えをするために存在し、豊富な栄養素を備える〝食の原点〟といえる存在なのです。
生命力の秘密は、爆発的な繁殖力にあり
クロレラの生きる力が強い理由の1つは、その細胞壁にあります。クロレラはとても強い殻(細胞壁)に包まれており、どんな環境の変化からも身体を守ることができます。そしてもう1つの理由は、その旺盛な繁殖力。通常、生き物はオス・メス両方がいることで増えますが、クロレラは1つの個体だけで増えることができます。これを無性生殖といいます。しかも、1つの細胞が20〜24時間ごとに分裂。1日後には4個、2日後には16個、20日後にはなんと1兆個とすごいスピードで増殖できるのです。