偉大なるレガシーランナー。〝走る〟ことに常にポジティブでいるのが健康と幸せの秘訣

マラソンランナー『May Dubois(メイ・デュボワ)さん』

高齢になっても走ることを楽しむ人が増えています。でも、フルマラソンに出場する高齢女性となるとかなり稀有な存在と言えるのではないでしょうか。今年80歳を迎えるメイ・デュボワさんは、40代からマラソンを始め、毎年ロサンゼルスで開催されるLAマラソンの第1回目から今日までフル出場する現役ランナーです。今なお週に6日はマラソンの練習を欠かさないというメイさん。そのエネルギーはどこから生まれるのか?彼女の生き方からWell-Beingのヒントが見えてきました。

May Duboisさんインタビュー
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初の女子マラソンが行われたオリンピックを契機に

ビビッドな赤いジャケットに花柄のスカート。チャーミングないでたちでインタビューに応じてくれたメイさん。美しい筋肉のついた脚とくっきりと明快な語り口は、とても80歳前とは思えません。

香港出身のメイさんは、長年アメリカで教職についていました。30代後半頃は、毎年フランス語の勉強にパリへ行き、夏休みにはロサンゼルス・シティ・カレッジ(LACC)でテニスを教えるという生活をしていました。ところが1985年は、アメリカへの帰国が例年より少し遅くなったため、テニスコーチの仕事を逃してしまい、とても落ち込んだそうです。

「そんな時に第1回L Aマラソン開催を記念してランニングセミナーが行われるというニュースを知りました。その前年のロサンゼルスオリンピックは、オリンピック史上、初めて女性がマラソンを走ることを許された大会。それを見てとても刺激を受けて『私もやってみよう』と思ったの。いくつかのセミナーに参加して、1986年3月の第1回L Aマラソンに出場しました」

それまでは一度も走ったことがなかったメイさんでしたが、すっかり走ることの虜になってしまい、結局その年4回もマラソン大会に出場したのだとか。「私の人生は偶然の幸運が多いんです。ランニングを始めたのも、逆境が良い方向に転じたひとつの例ですね」と笑うメイさん。心動いたことに軽やかに挑戦する行動力が素敵です。

以来、マラソンが中心の生活になり、今日まで世界中187の大会に出場しました。なかでも思い出深いのが、1996年のボストンマラソンだったと言います。「我が国で最も古く、権威あるマラソン大会。出場資格を得るためには一定のタイムで走ったという証拠を見せなければ出られません。精神的にも大変でしたし、年齢のこともあるのでもうできないだろうとは思います。でもあの大会が一番好きですね」

今年80歳を迎えるメイ・デュボワさん

〝ただ走る〟ことが喜び。だからトレーニングは毎日

そんなメイさんの1日はどのようなものかを尋ねると「そうですね。私は信心深い人間ではないけど、目が覚めたらまず今日も充実した幸せな1日を与えてくれた神に感謝します」。そういえば、メイさんの話には、よく周囲への感謝の言葉が散りばめられています。その心持ちが周りに伝わり、温かいパワーとなってメイさんを動かす原動力になっているのかもしれません。「私は本当にラッキーです。こんなに普通で、幸せで、健康で、好きなことを自由にできる人生を過ごせて。とても自分勝手ですよね。好きなことしかしない(笑)」

もちろん日々のトレーニングは、もはや生活習慣になっています。「週に6日トレーニングをしています。そのうち1日はマラソンに備えて15マイル(約24km)から20マイル(約32km)を長い距離をゆっくりと走るS L D(スロー・ロング・ディスタンス)というトレーニングを行なっています」。そう穏やかに話す様子からは、マラソンランナーという言葉から思い浮ぶストイックな日常の辛さはみじんも感じられません。

「私はね、走ることに全然飽きないんです。音楽も聴かず、携帯電話も持たず、水も持たず、ただ走る。そして8マイル(約13km)も走ると、まるで私が走るロボットになったかのように思えますよ。ただ走る。長ければ長いほどいいんです」

〝良い〟と感じることを継続する食生活

とはいえ、日常的に長距離を走るためには、健康面にも気を使っているのでは?「ありがたいことに私、本当に健康なんです。私のせいで医者が廃業するんじゃないかと思うくらい(笑)。食事に関しても好きなものを適度に何でも食べています」との答えが返ってきました。

メイさんの食生活で、約40年変わらず摂り続けているのがサン・クロレラ。「最初信頼できる人にすすめられて摂り始めたのですが、特に大きな体調の変化は感じませんでした。でもそれからも飲むのをやめたことはありません。長い時間が経って、自分は本当に元気だということに気付いたんです」

自分の行動、食べるものを信じて、継続することがとても大切とも。「信念を持って、他の人がとやかくいうことに耳を傾けないこと。私はやりたいことをやりますし、食べたいものを食べますし、走りたいときに走ります。それが健康でいることの自由さで、私としてはサン・クロレラが、自分の健康な身体の土台になっていると信じています」

Sun Chlorella A

シンプル&アクティブな暮らしがWell-Beingの源

そんな生活を約40年も続けているメイさん。しかもその毎日はとても自由でハッピーであることが伝わってきます。メイさんがWell-Beingを保てる秘訣は何なのでしょう。

「私にとっては、シンプルな生活を送り、活動的に過ごすこと。いつも感謝の心を持ち、ポジティブなことだけを考えることです。あと、できる限り他人を助けることも大切ですね」。確かにどれもメイさんの人生で自然に実践してきたことばかり。これは、誰が何をするにも通じるWell⁻Beingのコツかもしれません。

実はインタビュー時、次のLAマラソンを控えていた時期でもありました。そのためメイさんは普通の練習に加えて、5kmやハーフマラソンなど短めのレースにも出場しているのだそう。「私の目標はできる限り走り続けること。毎年LAマラソンに出場し、レガシーランナーであり続けることです」。レガシーランナーとは第1回大会から途切れることなく走り続けているランナーのこと。2000年には数百人いたレガシーランナーが、今は92人に減っているとか。

さらに「そうそう、ついこの間は、110号線を走りましたよ。パサディナから車道が封鎖されていたので、そこからダウンタウンまで走りました」と、子供のような笑顔で話してくれました。「すごいでしょ?私は今、自己ベストでゴールすることに躍起になることもないし、もっとリラックスして、マラソンを走ることに喜びを感じています」

私たちはつい「もう歳だから」「大変そうだから」と自分の行動の幅を狭めてしまいがち。でもメイさんの生き様は、〝好き〟というシンプルなエネルギーが人をもっとアクティブに、そして幸せにしてくれるのだと教えてくれます。

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