主催:株式会社サン・クロレラ、後援:産経新聞社
ウェルビーイングを学ぶ
~自分らしく、イキイキ生きる~
ウェルビーイングとは、心も体も元気で、社会との関わりも良好な、幸福な状態のこと。「ウェルビーイングを学ぶ~自分らしく、イキイキ生きる~」オンラインセミナー(サン・クロレラ主催、産経新聞社後援)が、11月25日に開催された。精神科医の和田秀樹氏とアーティストの相川七瀬氏を迎え、認知症に関する講演やライフスタイルをテーマにしたトークショーが行われた。
第1部 講 演
知識ゼロからの認知症入門 ボケたくないという病 精神科医 和田 秀樹 氏
“認知症は老化現象 怖い病気ではない”
認知症には誤解があるのではないかと感じています。認知症になったら終わりではなく、だんだん進んで、いろいろなことができなくなります。急に何もできなくなる病気ではありません。ある種の老化現象ですから、誰にでも起こることです。徘徊や大声を出すといった異常行動も、そんなに多くは出ません。普通は、だんだんおとなしくなり、何もしなくなってしまいます。いろいろなことができなくなっていきますが、できることも残ります。重要なポイントは、普段から頭を使っている人の方が発症は遅く、進行も遅いということです。
基本的な進行パターンとしては物忘れから始まります。その後、失見当識といって時間や場所の感覚が悪くなります。そして、知能や言語機能が低下し、
最後に歩けなくなったり、ものを飲み込めなくなったりするようになります。
私は認知症について実用的な分類をした方がいいと思っています。だんだんおとなしくなっていく単純型(もうろく型)と、激しい症状が出てしまうコルサコフ型(ぼけ型)があり、単純型であれば、それほど困らないからです。異常行動が多い、あるいは進行が早いのが、困ったタイプの認知症になります。
ある種の老化現象なので、世間で考えられているほど怖い病気ではありませんが、認知症になってからの対策が大切です。介護保険料を納めているのに、どう使ったらいいのか分からないという人がたくさんいます。認知症になると、何もしなくなる人が多いので、おしゃべりや運動をさせてくれるデイサービスも大事です。病気になったときに預かってくれるショートステイや大事な相談相手となるケアマネジャーなど、ぜひ情報収集をしてもらいたいと思います。
第2部 トークショー
ココロ(静)とカラダ(動)のバランスで、自分自身を幸せに!私のウェルビーイング 伝統文化の継承支援 アーティスト 相川 七瀬 氏
《「夢見る少女じゃいられない」でデビューしてから 28年。アーティスト活動の傍ら、長崎県対馬市の赤米神事など伝統文化の継承支援に携わっている》
日本には、二千年以上の時間をかけて積み重ねてきた文化があります。伝統文化を継承するということは、私たち大人が子供たちによりよい未来を残していくことではないかと思います。私が残していきたいのは祭りです。祭りには生活や芸能、いろいろなものが詰まっています。祭りがなくなってしまうと、地域
の個性が消えてしまうという危機感を持っていて、できる限り支えていきたいと思っています。
《令和2(2020)年には国学院大学に入学。神道を学びながら仕事と学業を両立している》
年々、健康には気を使うようになりました。睡眠が足りないと、声が出なくなったり、脳の働きも鈍くなったりするので、眠りの質を高めるように気を付けています。発散しないと、視野が狭くなることに気付いて、有酸素運動もルーティン化しています。大学に入ってから、時間は有限な資産で、その資産をいかに運用するかということを考えさせられました。
第3部 質疑応答
ウェルビーイングQ&A ウェルビーイングを実現するため
セミナーでは質疑応答「ウェルビーイングQ&A」も行われた。参加者からウェルビーイングを実現するために気を付けた方がよいと思われることなどの質問が寄せられ、和田氏は「やるか、やらないか、迷ったときには、やるということ。とにかく、いろいろ試してみて、自分に合ったことを探す人生を選ばれたらいいのではないか」と、相川氏は「好奇心を失わないこと。一人で行動する力を付けておけば、年を重ねてからも、自分の好奇心に合ったグループに入っていけるのかなと思います」と答えた。