【保存版】ヴィーガンのためのタンパク源

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なぜタンパク質が重要なのか?

タンパク質は、人体に必要な6つの必須栄養素の1つです。しかしそれだけでなく、炭水化物や脂肪のように多量栄養素でもあるため、体にはかなり多くの量が必要です。消化器系をサポートするビタミンやミネラルが欠かせないのと同じように、筋肉系ではタンパク質は欠かせません。

タンパク質は、アミノ酸と呼ばれる20種類の小さな構成要素からできています。この小さな粒子は、筋肉を作り、免疫システムを強化し、睡眠を助けるなど、まさに何でも屋です。このうち11種類は体内で自然に生成されますが、必須アミノ酸として知られている残りの9種類は、外部から補わなければなりません。

一度アミノ酸を体内に補給すれば、体はこれをどのように使えばいいかを正確に理解しています。体内では、自然にアミノ酸が正しく組み合わされ、必要とされる種類のタンパク質が形成されるのです。そして、これらのタンパク質は細胞の中でそれぞれを強化し、体の各プロセスが全体的にスムーズに進むようにします。タンパク質がなければ、細胞レベルで体内のあらゆるシステムがうまく機能せず、支障をきたします。

タンパク質はどれくらい摂るべき?

十分なタンパク質を摂ることが必要不可欠であることは明らかですが、では実際にどれくらいの量が必要なのでしょうか?FDA(アメリカ食品医薬品局)は、1日のカロリーの10~15%をタンパク質から摂取することを推奨しています。タンパク質1グラムは4キロカロリーなので、2,000キロカロリーの食事なら50グラムのタンパク質でちょうど10%ということになります。この比率はアスリートにも当てはまります。アスリートは一般人よりも多くのタンパク質が必要ですが、一般的にはより多くのカロリーも必要です。総カロリーの10~15%という淡白質比率を維持することによって、アスリートはトレーニングの燃料となり、健康を維持するのに適切な量のタンパク質を摂取することができます。正確な必要量は個々の必要カロリーによって異なりますが、この割合を維持することがまず第一歩です。かかりつけの医師に相談すれば、ご自身の特殊な状態やニーズを加味して、自分の体にとって何がベストなのかを確かめられるでしょう。

タンパク質はどこで摂ればいい?

ベジタリアンやヴィーガンなど、植物ベースの生活を行っている人が食事について一番聞かれるのは “どうやってタンパク質を摂るの?”ではないでしょうか。この質問が何度も出てくるのは、タンパク質が実際にどこから摂れるのかが正しく理解されていないからです。肉類は昔からあるタンパク源かもしれませんが、肉類だけでも、肉類が最適なタンパク源とも限りません。実際、魚介類、乳製品、豆類、種子類、ナッツ類、大豆加工品にも大量のタンパク質が含まれています。つまり、フレキシタリアン※1もベジタリアンもヴィーガンも、必須アミノ酸を摂取できる健康的な食事はとれるということです。ただ、他の人以上にタンパク源に気を配る必要があるだけです。

※1 フレキシブル(柔軟)なベジタリアン(菜食)を意味し、肉や魚などの動物性食品を食べてよいとする頻度は特に決まっていない人たち

植物性タンパク質と動物性タンパク質

2つのタンパク質源の最大の違いは、どのアミノ酸が含まれているかということです。体は20種類すべてのアミノ酸を必要とし、そのうち9種類の必須アミノ酸は必ず摂取しなければならないため、様々な種類のアミノ酸を摂らなければなりません。

動物性タンパク質

人間と同じで、動物も体内で必要なタンパク質を作るためにアミノ酸を必要とします。つまり、動物性タンパク質からは植物性タンパク質に比べて必須アミノ酸をより完全な形で摂取できるのです。卵、牛乳、魚、鶏肉、豚肉などは、どれも体が正常に機能するために必要な 9種類の必須アミノ酸を同程度の量含んでいます。

動物性タンパク質は、ビタミンB-12やビタミンDなど、植物にはあまり含まれていない他の必須栄養素の良い供給源でもあります。しかし動物性タンパク質だけに頼っていると、脂肪の摂りすぎになりやすいのが欠点です。脂肪も大栄養素のひとつですが、動物性タンパク質は脂肪が過剰なことが多いです。脂肪の摂り過ぎは、多くの一般的な健康問題や病気を引き起こす可能性があるため、動物性タンパク質は必要なものは摂取できるが、必要でないものも余分に摂取してしまう可能性があるということです。

植物性タンパク質

植物性タンパク質からすべての必須アミノ酸を摂取することはできますが、ひとつですべての必須アミノ酸を摂取できる植物性タンパク質源はなく、いろんなタンパク質源から摂取せざるを得ません。つまり、様々なものからヴィーガンタンパク質源を摂取することが鍵となります。

ヴィーガン素材のタンパク質源

植物性タンパク質に関する良い知らせもあります。必須アミノ酸をすべて摂取できるようにタンパク源に変化をつければ、植物性食生活のメリットを最大限に享受できます。研究によると、植物性の食事はII型糖尿病や心臓病、体重増加、その他多くの健康問題のリスクを下げることができます。

食事に取り入れることができる12の重要な植物性タンパク質のリストはこちら:

  1. 大豆製品:大豆は、必須アミノ酸をすべて含む、一番完全な植物性タンパク質です。また、非常に汎用性が高く、食事に取り入れやすい特徴があります。
  2. キヌア: リジンが不足しているため、厳密には完全なタンパク質ではありませんが、すべての必須アミノ酸を含んでいます。その上、キヌアはグルテンフリーの全粒穀物で、食物繊維や多くのビタミン・ミネラルなど、他の重要な栄養素も豊富に含んでいます。
  3. セイタン: セイタンは小麦粉から作られており、非常にヘルシーです。高タンパク、低炭水化物、低脂肪で、理想的なタンパク質源と言えます。ただし、キヌアのようにリジンが少ないので、豆類などリジンを多く含む食品を食事に加える必要があります。
  4. ひよこ豆、豆、レンズ豆: これまで紹介した植物性タンパク質とは違い、この豆類は必須アミノ酸をすべて含んでいるわけではありません。しかし、小麦由来のタンパク質源に欠けているリジンを多く含んでいます。また、ひよこ豆、豆、レンズ豆は非常に用途が広く、様々な種類があるため、食事に取り入れやすいタンパク源です。
  5. : 米、特に玄米は、1カップで5グラム以上のタンパク質を含む優れたタンパク源ですが、米は豆と一緒に食べることで、その効果を最大限に発揮します。どちらも多くの国で主食として食べられていますが、米と豆はそれぞれのアミノ酸が互いを補い合います。どちらも単体では完全なタンパク質ではありませんが、両方を使った食事を作れば、体に必要なアミノ酸をすべて摂取することができます。
  6. ナッツ類: もうひとつの万能タンパク源であるナッツは、タンパク質と脂質という必須栄養素を提供してくれます。ピーナッツやアーモンドはすりつぶしてバターにすることができるので、おいしくタンパク質を摂取することができます。
  7. チアとヘンプシード: 低カロリーで高タンパクなので、どちらも体に必要なアミノ酸を確実に摂取するのに役立ちます。チアシードは、完全なタンパク質である上に、オメガ3脂肪酸も摂取できます。どちらも小さな種なので、多くの食事に簡単に入れることができるのが嬉しい点です。
  8. 栄養酵母: 食事にタンパク質と風味の両方を与えたいときにぴったりです。栄養酵母はチーズのような風味があり、ヴィーガンの食事に嬉しい選択肢です。料理に入れてもいいし、ポップコーンや野菜、パスタにふりかけるだけでも摂取できます。
  9. スペルト: スペルトは小麦から作られる古代穀物です。調理すると1カップあたり10グラム以上のタンパク質を含み、植物性タンパク質の優れた供給源となります。食物繊維やその他の重要なビタミンやミネラルも摂取できます。
  10. 発芽パン: 発芽させた穀物から作られたパンは、通常の小麦パンよりもタンパク質を少し多く含みます。また、穀物を発芽させることでリジンの含有量が増え、良質で体に良いタンパク質になります。発芽パンというと、アメリカでは一般的なエゼキエル・ブレッドを連想する人が多いですが、他にも発芽パンは販売されています。
  11. タンパク質が豊富な野菜: これは主なタンパク質源にはなりませんが、他の野菜よりもタンパク質が豊富な野菜もあり、食事にプラスするのがオススメです。ライ豆、グリーンピース、ほうれん草、スイートコーン、アーティチョーク、アスパラガス、芽キャベツ、ブロッコリーなどは、他の野菜より もタンパク質が豊富に含まれています。
  12. ジャガイモ: ジャガイモは、植物性の食事に加えたいヘルシーな食材です。他の重要な栄養素に加え、1食あたり8グラムのタンパク質を摂取できます。また、減量や体重維持を目指すなら、ポテトは腹持ちが良いのでおすすめ。

高タンパク質の食事

どんな食材を食事に加えればいいのかがわかったところで、どう加えればいいのか迷っている人も多いのではないでしょうか。ここで、高タンパクでおいしい食事をいくつかご紹介します。

レッドビーンズ&ライス: このケイジャン料理(アメリカ南部の郷土料理)はタンパク質源として最適で、しかもとてもおいしいです。ピーマン、タマネギ、セロリを炒めたケイジャンの「聖なる三位一体」(アメリカでケイジャン料理に使われる表現)から始まります。ソーセージを使うのが伝統的ですが、小豆を野菜ブイヨンで煮て、ケイジャン調味料で味付けしても同じようにおいしいですよ。

ほうれん草のサラダ: ほうれん草のサラダにタンパク質が豊富な他の食材をトッピングするのもおすすめです。豆腐、枝豆、ナッツ類、ひよこ豆などをサラダに加えてみてください。

プロテインスムージーとナッツバタートースト: タンパク質たっぷりの朝食には、チアシードやヘンプシードをほうれん草と一緒に朝食スムージーに加えてください。エゼキアルブレッド(発芽パン)にナッツバターをのせてトーストしたものと合わせると良いですよ。

プロテインサプリメントは有効か?

食事にタンパク質を追加するのに簡単で人気のある方法はプロテインサプリメントです。一番手軽なサプリメントは粉末プロテインで、その多くがホエイ(乳清)ベースですがエンドウ豆、大豆、ジャガイモ、ヘンプ(麻)、米などをもとにしたヴィーガンの選択肢もたくさんあります。ただし、どのような製品であってもプロテインサプリメントをその他の自然な原料の代用品として使うことには注意が必要です。

サプリメントには、余分な糖分やカロリーが含まれていることが多く、何が入っているのかを知るのが難しいのも問題です。というのも、FDA(アメリカ食品医薬品局)は製品の安全性と効能の保証をメーカーに委ねているためです。

タンパク質以外について

確かにタンパク質は細胞を活性化させ、筋肉を動かすのに欠かせない栄養素ではありますが、肉や乳製品などの食品群を摂らずにタンパク質ばかりに気を配っていると、他の主要栄養素が不足してしまいます。 上司にワークライフバランスを求めるように、体も食事に栄養バランスを求めています。

ヴィーガンとベジタリアンは、自分たちに足りない栄養素と、それを何から摂取できるかさえわかっていれば、食事から必要なすべての栄養素を得ることができます。

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