大切なのは全ての命に敬意を持つこと。自分を見つめ直すことができる〝地上の楽園〟

動物愛護団体『The Gentle Barn(ジェントル・バーン)』

人間と動物との関わりは旧石器時代の洞窟壁画からもうかがえるほど長いもの。しかし近年、人間の営利活動や自然破壊等で傷つく動物たちが増えています。ジェントル・バーンは、動物虐待が社会問題になっていたアメリカで、動物たちを保護しリハビリすることを主な目的として1999年に設立された団体です。動物と触れ合うことで人を癒す取り組みも行なっています。動物も人も幸福に生きるために必要なことを、創設者のエリー・ラックスさんに聞きました。

目次

自宅の裏庭からスタート。今では全米規模に

広々とした柵の中で羊や豚がエサを食べ、クジャクがゆったりと歩き回る……〝穏やかな納屋〟という団体名にふさわしいのどかな光景を見ながらインタビューに応じてくれたエリーさん。その手にはレベッカという鶏が抱かれています。「世の中で1番かわいい動物は?」という問いに「そのとき目の前にいる動物です。今ならレベッカが動物界で一番ですね」とにっこり。茶目っ気のあるその答えが、実はジェントル・バーンの活動の軸となっているように思えます。

ジェントル・バーンは、23年前エリーさんが、カリフォルニア州サンフェルナンドバレーの自宅裏庭で、傷ついた動物たちを救い世話をしたことから始まります。2002年にジェイ・ウェイナーさんが共同創設者となったのを機に、同州サンタクラリタへ移動。8エーカーの土地に、馬や牛などの牧草地や小動物たちのバーンヤード(納屋に隣接している庭)、木陰などを備え、たくさんの動物たちを保護し、必要な治療をし、快適に飼育できる環境を整えました。

その後、テネシー州やミズーリ州に拠点を増やし、2023年の11月にはニューヨーク州にも開設。「今、団体は全米規模となり、200匹の動物を抱え、50人の従業員、何千人ものボランティアに支えられるほど大きくなりました。全部自分で動物にエサをやり、毛繕いをし、庭を掃除していた頃が懐かしいな、と。日常的に動物たちや彼らの世界と親密な関係を築けていたときは本当に幸せないい時間でした」

傷ついた動物を最優先に拠点を拡大

ジェントル・バーンがどのように拠点を増やし、大きくなってきたのかを尋ねると、「自分たちから拠点となる場所を選んだのではなく、自然な流れから増えていったんです」とのこと。

「ある日テネシー州のある人から、足を失った牛がいるという電話をもらいました。その牛は3本足でフラフラ歩いていて誰も助けてもらえない状態でした。ジェイが牛の外科医と義足を作る会社を見つけてくれたので、私たちはその牛を助けに向かいました。無事治療を終えたのですが、カリフォルニアに連れて帰るには遠すぎる。それでテネシー州にジェントル・バーンを作ったのです」

ミズーリ州でも同じようなことがありました。「食肉処理場から6頭の牛が逃げ出したのです。かわいそうに思った人々から牛を助けるための資金が集まったので、ジェイが業者に解放するための支払いをし、牛たちを病院へ連れて行きました。そして彼らのために現地でジェントル・バーンを開いたのです」

目の前で苦しむ牛を助けるために、保護する場所を作ってしまうスケールの大きなエピソード。エリーさんたちの強い意志に驚かされます。

またニューヨーク州での設立のきっかけは、馬車用の馬でした。セントラルパークでは、馬車に観光客を乗せて街を歩き回るツアーが昼夜を問わず行われています。「私たちが調査をした結果、馬たちは仕事以外の時はずっと道路か壁に繋がれていて、休養も引退もないこと、歳をとって車が引けなくなると屠殺場送りになることがわかりました。これは許されざることです」エリーさんは語気を強めました。現在は施設のオープンに向けて、資金集めや馬たちを飼う準備のための敷地作りが進められています(2023年4月4日取材時現在)。


動物の生命力を高める切り札が、サン・クロレラ

ジェントル・バーンで暮らす動物たちは、みんなふっくらと肥えて手入れも行き届いています。とてもひどい怪我をしたり、虐待を受けてきたとは思えません。傷ついた動物たちを救い癒す大きな力となったのが、サン・クロレラだとエリーさんは言います。

「サウスダコタ州に出かけたときに、パルボウイルスに感染した子犬に出会ったんです。3匹を連れて帰ることにしたのですが、とても具合が悪かった。そのとき持っていたサン・クロレラを飲ませ続けたところ、3日後家に到着した時に様子が変わっていたのです !

実はサン・クロレラは、2012年からジェントル・バーンの活動に共感し、C S R活動の一環として、資金的な支援とともにクロレラを提供しているのです。

「サン・クロレラの魅力は、人間に恐怖心のある動物に対して使いやすいという点です。保護したばかりの動物の体を固定して、獣医の検査や治療を施すことは、精神的にひどい苦痛を与えるから。でも私たちは動物たちの飲み水にクロレラを混ぜて、決して手荒に扱わず、体の内側からサポートすることで、気持ちの面からも信頼を得ることができるのです」

動物たちには普段から、水やエサの中にクロレラを混ぜ、ペット用のクロレラタブレットを与えています。「動物には寿命がありますが、ジェントル・バーンの動物たちは平均寿命をはるかに超えている子が多いんですよ」。実際、彼らもクロレラが大好きで、口の周りを緑色にして食べる動物たちの光景は同施設の名物になっています。

そんなジェントル・バーンは世界中の動物保護施設から注目され、ノウハウや動物についてのアドバイスを求められることも多いそう。「そんな時は『サン・クロレラ!』って答えています」と微笑むエリーさん。

さらに動物だけでなく、エリーさん自身もクロレラを愛飲しています。「私たちの仕事は、朝早く夜遅いことがしばしば。動物たちのお産や危険な救助の時は何日も徹夜することも。でも私が笑顔で目覚め、一日中動物と向きあっていられるのはサン・クロレラのおかげだと思っています」


動物そして人との絆が働くエネルギーに

365日命と向き合う仕事。あちこちから必要とされ、多忙な毎日を送るエリーさん自身を労ってくれるものは何なのでしょうか?

「私がみんなの面倒をみるため懸命に働いている一方で、ジェイやスタッフのみんな、ボランティアの方々、訪問者、寄付者、理事会……ここに関わる全ての人々が私を支えてくれています。そして動物たちから注がれる愛情と癒し。彼らの私を見る眼差しは自分が正しいことをしていると再認識させてくれます。私が動物たちに面倒をみてもらっているようなものです」

〝目の前の動物を愛おしむ心〟ジェントル・バーンは、まさに最初の質問の時に感じた理念で貫かれていることを改めて確信しました。

「私は幼い頃から1秒でも長く動物と一緒に過ごしたいと思っていました。学校が終わるやいなや、森や湖に駆け込んでね。そして時々怪我をしている動物を家に連れて帰っていました。実際我が家では飼うことはできなかったのですが、『大きくなったら、大きな家でたくさんの動物を飼うんだ。そして動物たちの美しさを世界に見せよう』と夢見ていました。

本来、人は自分が何者で、何のために生まれてきたのかを知っていると思います。でも成長するにつれそれを忘れ、収入を得るために充足感のない仕事をするようになる。でもそんな日常に疲れた人は子どもの頃を振り返って、自分が何をしていたのか見つめ直せばいいんです。私の場合はそれが動物だった。私は朝起きてこの仕事ができる毎日に心から感謝しています」

誰もがエリーさんの言葉通りに人生を貫くことは難しいかもしれません。でも実際に彼女がそれを叶えたことによって幸せになった動物がいることは紛れもない事実。ジェントルバーンという〝楽園〟の動物たちを見ていると、彼らのストーリーを重ね合わせ、全ての命の尊さが胸に迫ってきます。そしていつしか自分の中にあたたかい活力が湧き上がってくるのを感じます。

サン・クロレラ公式コーポレートサ...
動物愛護の取り組み | サスティナビリティ サン・クロレラでは、 傷付いた動物たちを保護しリハビリすることを目的に設立されたアメリカの動物愛護団体「The Gentle Barn」を支援しています。


目次